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『「正しい戦争」という思想』(山内進[編] 勁草書房 2006)

編著者:山内 進[やまうち・すすむ] (1949-) 法制史。
著者:染田 秀藤
著者:荻野 弘之
著者:奥田 敦
著者:権左 武志
著者:阪口 正二郎
著者:佐藤 哲夫
著者:森村 進
NDC:319.8 外交、国際問題。
NDC:391.1 戦争:哲学


「正しい戦争」という思想 - 株式会社 勁草書房


【目次】
はしがき――「正しい戦争」という思想〔山内 進〕 [i-iv]
  「正戦」と「正しい戦争」  三つの論点
目次 [v-xiv]


序論 聖戦・正戦・合法戦争――「正しい戦争」とは何か〔山内 進〕 001
1 「正しい戦争」 001
  否定・肯定・条件派
  条件派の思想としての「正しい戦争」
  諸文明における正しい戦争
2 聖戦 010
  「正しい戦争」の諸類型
  聖戦の諸類型
  十字軍
  近現代における聖戦
3 正戦――古代・中世 017
  正戦と聖戦
  キケロー、アウグスティヌスイシドールス
  トマス・アクィナス
4 正戦――近世・近代 024
  近世スコラ学
  自然法学派(1)――聖戦からの訣別
  自然法学派(2)――ヨーロッパの拡大
  文明のヨーロッパ
  正戦論の転回
5 合法戦争 035
  ハーグ平和会議
  正戦論の復活――グロティウス主義
  国際的合法戦争


第I部 ヨーロッパの内外からみた「正しい戦争」

第1章 異教徒に権利はあるか――中世ヨーロッパの正戦論〔山内 進〕 045
1 ホスティエンシスの理論 045
  タンネンベルクの戦い
  ホスティエンシスの理論
  『黄金の集成』
2 カノン法学の聖戦論(1)  051
  グラティアヌス『教令集』の問題提起
  異端者との戦い
3 カノン法学の聖戦論(2)  056
  インノケンティウス三世と十字軍
  フグッチョの十字軍論
  アラヌス・アングリクスにおける異教徒の権利
4 私の羊たちを飼いなさい 062
  再びホスティエンシス
  インノケンティウス四世
  パウルス・ウニフディミリ
5 文明と野蛮 068
  大航海時代――マルティヌス五世とニコラウス五世
  自然法の逆説
  文明が野蛮を制する


第2章 《征服はなかった》――インカ帝国征服戦争――正戦論に対する敗者の異議申し立て〔染田 秀藤〕 075
1 インディアス論争とインディヘニスモ 075
  勧降状
  インディヘニスモ
2 ビトリア、セプールベダ、ラス・カサス 079
  ビトリア
  セプールベダ
  ラス・カサス
  征服戦争=聖戦論の否定
3 インディアス論争の風化とアンデスの状況 086
  インカ暴君説
  行動するインディオ
4 ポマの訴え 089
  『新しい記録と良き統治』
  偶像崇拝
  征服はなかった
  傲慢さ
  教会は焼け落ちなかった
  キリスト教世界アンデス
5 ポマとラス・カサス 101
  文字の暴力性
  ラス・カサスとポマ
  ミティマエ
  ラス・カサス主義の継受


第II部 キリスト教イスラームの「正しい戦争」

第3章 キリスト教の正戦論――アウグスティヌスの聖書解釈と自然法〔荻野 弘之〕 111
1 西欧中世における正戦論の成立 112
2 古代教父における二つの伝統 116
  古代教会の平和主義とその転換
  ローマ帝国キリスト教
3 アウグスティヌスの聖書解釈 119
  正戦諭の源泉としてのアウグスティヌス
  相反する解釈
4 選民イスラエルと「聖戦」の可能性 135
  神裁政治と古代の聖戦
  イスラエルの聖戦
  戦争記事をどう理解するか―― 三つの類型
  アウグスティヌスの旧約解釈
5 現代のキリスト教正戦論と平和主義の課題 140
  国民国家と戦争の世俗化
  冷戦下での戦争観
  宗教的正戦論の可能性と課題


第4章 イスラームにおける正しい戦い――テロリズムはジハードか〔奥田 敦〕 145
1 ジハードとは何か? 145
  ジハードの真の意味を問う
  クルアーンのなかのジハード
  戦闘的なジハード
2 戦闘行為によるジハード 151
  敵対に対する敵対
  盟約
  戦闘的ジハードの倫理性
3 テロリズムはジハードか? 157
  イルハーブ
  畏敬に値する文明の確立
  イスラームの教えにおける人命の重さ
4 なぜ自爆テロはやまないのか? 162
  パレスチナの例外的状況
  カラダーウィーの三つの疑問
  抵抗運動
  武装による平和の限界
5 最善のジハード 167
  政府の不在
  不信心者に従ってはならない
  最善のジハード


第III部 現代の「正しい戦争」論――ヨーロッパとアメリ

第5章 20世紀における正戦論の展開を考える――カール・シュミットからハーバーマスまで〔権左 武志〕 175
1 欧州正戦論への問い 175
2 ポスト冷戦期における正戦概念の復活――ハーバーマスコソボ空爆擁護論 178
  コソボ空爆=「人道的介入」擁護論
  国際関係の法制化
  法と道徳の境界線上の戦争
3 戦間期における正戦論の起源―― C・シュミットの正戦批判 184
  国際連盟
  最初の正戦批判
  正戦批判の本格化
  正戦批判の集大成
4 9・11以後における正戦論の再活性化――ハーバーマスイラク戦争批判 191
  「テロリズムとの戦争」批判
  「中東の民主化」批判
  「軍事的ヒューマニズム」批判
5 欧州正戦論の意義 200


第6章 最近のアメリカが考える「正しい戦争」――保守とリベラル〔阪口 正二郎〕 204
1 アメリカにおける「正しい戦争」論の磁場 204
  自由と民主主義の国
  「自由と民主主義の国」の戦争
  「自由と民主主義の国」の反テロ戦争
  国際法上合法な戦争  合法な戦争と正しい戦争
2 保守派の正戦論――エルシュテインの議論 213
  知識人の共同声明
  正戦としての反テロ戦争
3 左派の正戦論――ウォルツアーの議論 218
  ウォルツアーの正戦論
  正戦と人道的介入
4 人道的介入のわな――イグナティエフの迷走 223
  ヒューマニズムと人道的介入
  人道的介入としてのイラク戦争
5 アメリカの正戦論をどう受けとめるべきか 227
  「自由の女神」とアメリ
  日本国憲法と正戦


第7章 国際法から見た「正しい戦争」とは何か――戦争規制の効力と限界〔佐藤 哲夫〕 233
1 「正しい戦争」をめぐる歴史的展開 234
  近代初期の正戦論
  19世紀における無差別戦争観
2 戦争違法化と国際連盟 238
  国際連盟の集団的安全保障制度
  評価と実際
3 現在の武力行使の規制枠組み 243
  国際連合憲章の集団的安全保障制度
  武力行使禁止原則の例外の拡大
4 冷戦の解消と国連安全保障理事会 249
5 岐路に立つ武力行使規制枠組み――最近の三つの事例 251
  NATOによるコソボ空爆――人道的干渉
  アメリカによるアフガニスタン侵攻――国際テロリズム
  米英によるイラク攻撃――大量破壊兵器の拡散防止


むすびにかえて――「正しい戦争」の道徳性〔森村 進〕 [263-269]


引用・参考文献 [21-32]
事項索引/人名索引 [3-20]
著者紹介 [1-2]