著者:内田 樹 随筆。
解説:高橋 源一郎 作家。
賛辞:増田 聡 音楽美学。
賛辞:山本 浩二 画家。
装幀:司 修
カバーデザイン:高柳 雅人
カバーフォト:Giorgio Fochesato Getty Images
備考:「まえがき」は文庫版に新しく加えられたもの。
文庫版の旧・カバーデザイン:角川書店装丁室。
「ためらいの倫理学 戦争・性・物語」内田樹 [角川文庫] - KADOKAWA
※文庫版書影
【目次】
目次 [003-007]
まえがき [009-014]
なぜ私は戦争について語らないか
古だぬきは戦争について語らない 016
アメリカという病 028
自由主義史観について 034
自虐史観と戦後責任論 045
応答責任と受験生 056
愛国心について 067
戦争論の構造 072
有事法制について 130
なぜ私は性について語らないか
アンチ・フェミニズム宣言 140
「男らしさ」の呪符――上野千鶴子『男性学』を読む 147
正しい日本のおじさんの道――林道義『フェミニズムの害毒』を読む 166
性的自由はありうるか?――飯田裕子「自己決定」を読む 175
セックス・コンシャスネスの神話――上野千鶴子・宮台真司他『売買春解体新書』を読む 186
「女が語ること」のトラウマ―― ショシャーナ・フェルマン『女が読むとき、女が書くとき』を読む 192
性差別はどのように廃絶されるのか 210
なぜ私は審問の語法で語らないか
正義と慈愛 222
当為と権能の語法――岡真理『記憶/物語』を読む 226
ラカン派という症候――藤田博史『人間という症候――フロイト/ラカンの論理と倫理』を読む 237
「分かりにくく書くこと」の愉悦について――アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン『「知」の欺瞞』を読む 249
現代思想のセントバーナード犬 256
それではいかに物語るのか――ためらいの倫理学
「矛盾」と書けない大学生 264
邪悪さについて 272
物語について 278
越境・他者・言語 281
とほほ主義とはなにか? 297
ためらいの倫理学 303
あとがき──解題とともに(二〇〇三年七月十五日 内田樹) [347-361]
単行本時の付録 [362-365]
内田さんは思想の整体師である(増田聡)
罠(山本浩二)
ずっとずっと待っていた(高橋源一郎) [367-372]
【メモランダム】
・本書(『ためらいの倫理学』)で俎上に挙げられた本・論考の正式名称と著者・訳者。および、出版社または国会図書館へのリンク。
林道義『フェミニズムの害毒』草思社 1999年
飯田祐子「自己決定」『現代思想 臨時増刊号 総特集:現代思想のキーワード』pp.124-127 2000年
上野千鶴子・宮台真司・角田由紀子・藤井誠二・川畑智子・鬼塚チェイス円『売買春解体新書――近代の性規範からいかに抜け出すか』柘植書房新社 1999年→2020年
Shoshana Felman[著] 下河辺美知子[訳]『女が読むとき、女が書くとき――自伝的新フェミニズム批評』勁草書房 1998年
岡真理『記憶/物語』岩波書店 2000年
藤田博史『人間という症候――フロイト/ラカンの論理と倫理』青土社 1993年
Alan D. Sokal & Jean Bricmont[著] 田崎晴明・大野克嗣・堀茂樹[訳]『「知」の欺瞞――ポストモダン思想における科学の濫用』岩波書店 2000→2012年