著者:上野 陽子[うえの・ようこ](1978-) (第三章を担当)
著者:小熊 英二[おぐま・えいじ](1962-) (序文・第一章・第二章・第四章を担当)
NDC:311.3 国粋主義.ナショナリズム.民族主義
NDC:375.9 教科書
※本書冒頭の目次ページにおいても、慶應義塾大学出版会ウェブサイトでも、不等号(数学記号)が強調のための括弧として使用されている。ここでは、不等号< >を、山括弧〈 〉 に置き換えた。
【目次】
序文(二〇〇三年二月) 小熊英二 [001-010]
第一章 「左」を忌避するポピュリズム――現代ナショナリズムの構造とゆらぎ 015
「下からのナショナリズム」運動
「価値観の揺らぎ」からの脱出
無定形から「保守」へ
天皇の位置
「保守の言葉」に回収される揺らぎ
第二章 「新しい公民教科書」を読む――その戦後批判を点検する 043
個人主義だけがエゴイズムか
「防衛義務」の安直な強調
「国体論」との類似
マルクス主義の市民観にも似ている
戦後思想への無理解
強烈な欧米コンプレックス
第三章 〈普通〉の市民たちによる「つくる会」のエスノグラフィー ――新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部有志団体「史の会」をモデルに 069
序 070
問いの設定
先行研究の批判的検討
『歴史認識と授業改革』
『文化ナショナリズムの社会学』
研究対象・研究方法
1 「史の会」のエスノグラフィー 079
「史の会」の風景
沿革
組織構成
運営方法
2 「史の会」参加者の意識とタイプ分け 093
「史の会」を支える三タイプの参加者たち
I サイレント保守市民
インタビュー:サイレント保守市民
II 市民運動推進派
インタビュー:市民運動推進派
III 戦中派
インタビュー:戦中派
各タイプ間の温度差
新しい「保守」と昔ながらの「保守」
運動支持派と運動推進派
「つくる会」本部への批判(運動論・組織論)
「弱気な日本」を嘆く声――「史の会」の最大公約
3 〈普通〉の市民たちの限界 140
個人主義的な保守市民たち
教科書問題ブームのその後
普通の市民たちによる草の根保守運動とは
資料編 148
第四章 不安なウヨクたちの「市民運動」 187
「市民運動」との類似性
参加者たちの思想傾向
「普通」の意味するところ
「史の会」の構成
今後の展望
あとがき 上野陽子 [225-228]
【メモランダム】
「ウェブ版のあとがき」が公開されている。
<癒し>のナショナリズムに寄せて