著者:佐倉 統[さくら・おさむ](1960-)
カバー絵:SPL/PPS
デザイン:角川書店装丁室
NDC:467.5 進化論:自然淘汰,人為淘汰
「進化論の挑戦」 佐倉 統[角川ソフィア文庫] - KADOKAWA
【目次】
目次 [003-006]
汝自身を知るために――まえがき 007
第一章 進化と進化論の歴史 013
1 自らのルーツを求めて――進化論 014
過去を知る
進化=生命の歴史
進化の証拠
進化と進歩
2 進化論の歴史 021
神がつくりたもうた生物種は精緻にして不変なり
進化を認めた人、認めなかった人
地質学革命――ライエルの業績
ダーウィン、進化論を発表
自然選択理論、風前のともしび
集団遺伝学の確立と総合説
3 社会のなかの進化論 031
進化論への社会的影響
遺伝と自由意志
補注
[コラム]リチャード・ドーキンス
第二章 国家と社会の名のもとに――優生学と社会ダーウィニズム 039
1 偽善のヴェールをかぶった弱肉強食の時代 040
シャーロック・ホームズの思い出
『パンチ』に見るヴィクトリア朝イングランド
高邁な理念のかげに
2 一九世紀後半の優生学思想 044
優生学の名のもとに
スペンサーの社会進化論
ゴールトンの優生学
一元論と資本主義
明治は遠くになりにけり
3 二〇世紀前半の優生学 052
優生学の時代?
国家のために……?
4 優生学――過去・現在・未来 056
なぜ優生思想が?
わが内なる優生思想
過去の遺産と将来の展望
補注 062
[コラム]アドルフ・ヒトラー 064
第三章 社会行動の影に遺伝子あり 067
1 登場 068
ダーウィンの悩み
コースターの裏の計算
誕生、社会生物学
社会生物学用語の基礎知識―― 1
社会生物学用語の基礎知識―― 2
2 論争 076
ナチス再来?
領域侵犯
性差別の固定化
そは遺伝子にあらず……
3 受容と現状 085
論争集結
非英語圏の動向――日本の場合
開国
非英語圏の動向――ヨーロッパ諸国の場合
社会ダーウィニズムとどこが違うか?
補注 093
[コラム]エドワード・ウィルソン 094
第四章 人はなぜ道徳的に振る舞うのか、また、なぜそうでなければならないのか? 097
1 進化倫理学の背景 098
ぼくの道徳教育経験
進化の産物としての倫理
2 進化倫理学の現状 103
進化倫理学の三類型
現代の弱い進化倫理学
自然主義の誤謬
強い進化倫理学
専門家主義は有効か?
3 自然主義・再考 111
価値と事実、最高
倫理と一〇〇メートル競争
反進化倫理学
未来へ
補注 118
[コラム]マイケル・ルース 119
第五章 ダーウィンとフェミニズム 121
1 フェミニズムと進化論――宿命の対決? 122
『ディスクロージャー』の背後に
社会と性差別
フェミニズム理論
相性最悪?
そもそも性差って何?
遺伝的決定論?
楽譜と演奏
進化論とフェミニズムの友好=有効関係
ブリッコ女と自己欺瞞
フェミニズムは男のためでもある
2 家族、育児、共同体 138
育児は面倒くさい!
育児のための共同体
育児と母親
父親
[コラム]サラ・ブラッファー・フルディ 145
第六章 ケーニヒスベルクの三〇〇年――進化論と認識論 147
1 カントの遺産 148
バルト海の不凍港
カント、ケーニヒスベルクに君臨す
一七〇年後、ローレンツ、ケーニヒスベルクに赴く
鏡の背面――ローレンツのカント論
2 ローレンツ以外の進化論的認識論 155
「あのときのカーリだよ」
知識は生命、生命は知識
科学理論の消長
3 神は心のウイルスか? 160
ミームという名のミーム
ミームの効果
選択の普遍性
心にもウイルスが?
もうひとつの生命
補注 170
[コラム]コンラート・ローレンツ 171
第七章 人の心の歴史 173
1 フロイト再訪 174
アミガサタケと『地球の長い午後』
脳の進化
サブリミナル・マインド
無意識はどこから来るのか?
相互利他行動
2 人は社会的な動物である 187
マンハッタンの利他行動
人間の利他性をはぐくんだ環境
社会的動物
人間――教えるサル
進化論的教育論――教育の混迷とその原因
一億、総坊さん状態
解決のために
3 さまざまな進化心理学 199
生まれつきの反逆者?
殺人
好みのタイプは?
現代の優生学の状況
進化心理学の受け取られ方
再度、社会の中の進化学
補注 211
[コラム]人間行動進化学会 212
第八章 さらばガイア、こんにちはバイオフィリア 215
1 人はなぜ自然を保護しなければならないのか? 216
黒い森のふもとから
なぜ環境も守らなければならないのか?
人間――自然を愛するもの
公園は万国共通か
遺伝子決定論としての自然愛護
2 バイオフィリア――支持する証拠 226
あなたもぼくも、ヘビが嫌い
自然を愛す、されど……。
バイオフィリアのこれから
3 都市の生活と進化論 232
都市の人間の行動学
ウサギ小屋の行動学
都市の二面性
企業共同体
新たなる共同体の構築
補注 240
あとがき(一九九七年七月 横浜にて) [242-244]
文庫版あとがき(二〇〇二年十二月 佐倉 統) [245-246]
参考文献 [247-253] ([1-7])
図版協力 [254]
【関連記事】
・進化生物学。
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・進化論と社会、優生学。
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・進化倫理学。
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・進化心理学、その他。
『モラルの起源――実験社会科学からの問い』(亀田達也 岩波新書 2017)
https://contents-memo.hatenablog.com/entry/20190929/1569682800
『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(吉川浩満 河出書房新社 2018)
『ヒトの本性――なぜ殺し、なぜ助け合うのか』(川合伸幸 講談社現代新書 2015)
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・自然人類学(分子人類学、遺伝人類学など)。
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・社会生物学論争。
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・別の著作
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