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『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。――文化・アイドル・政治・経済・歴史・美容の最新グローバル日韓教養書』(ムーギー・キム 東洋経済新報社 2022)

著者:Moogwi Kim[ムーギー・キム](1977-) 投資家。コンサルタント。作家。
装丁:金井 久幸[かない・ひさゆき] グラフィックデザイナー。TwoThree 
カバーイラスト:ケント・マエダヴィッチ(1988-) イラストレーター。
編集協力:鈴木 充[すずき・みつる]
編集協力:新井 円[あらい・まどか]
歴史考証:山岸 良二[やまぎし・りょうじ](1951-) 日本考古学。
歴史考証:遠藤 由紀子[えんどう・ゆきこ](1979-) 日本近代史・女性史・歴史地理学。
校正:佐藤 真由美[さとう・まゆみ]
編集担当:中里 有吾[なかざと・ゆうご] 東洋経済新報社
件名:日本--文化
件名:日本--社会
件名:大韓民国--文化
件名:大韓民国--社会
NDC:302.1 政治・経済・社会・文化事情
備考:本書の書名は、「サブタイトル + タイトル + サブタイトル」のサンドウィッチ形式。
  京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!
  そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。
  文化・アイドル・政治・経済・歴史・美容の最新グローバル日韓教養書



京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。 | 東洋経済STORE


【目次】
はじめに [003-020]
目次 [021-040]


はじめに
    ◆個人同士だと仲が良いのに、なぜ国同士になると仲が悪いのか?
    ◆【本書を手にとるメリットと対象読者層】すべての日本人・韓国人・在日コリアン、そして日韓関係に無関心だが「国際感覚と歴史的教養」を身につけたい全ビジネスパーソン
    ◆【本書の特徴】日韓の視点と、日韓を超えたグローバルな視点と、豊富な実体験および広範な文献レビュー
    ◆日韓両国の「知的で、考え方が柔軟な読者」がターゲット層
    ◆本書執筆の3大理由
    ◆多様な研究書や書籍の主要論点を1冊にまとめる文献レビューの必要性
    ◆本書の構成


  前編 日韓両国の文化的違いと、日韓関係の変化

第1章 日韓の人間関係の違いとは?――人間関係の距離感が違和感に? 食事・言語・感情表現・家族関係・接客文化の比較 043
    ◆まずは人間関係に関する文化の違いを紹介
    ◆急速に変化する韓国文化と、近づく日韓両国の次世代カルチャー ――過去のステレオタイプは捨て去ろう

1 「食の違い」 食文化の違いでわかる、国民性の違い3大ポイントとは?――キムチとタクアン、食文化の違いに滲み出る、日本人と韓国人の意外な違いとは? 
  [1] キムチとタクアンの比較でわかる感情表現の違い――ストレートな韓国と、控えめな日本
    ◆日韓では、日常の挨拶も違う!?
  [2] 日本の懐石精神と、韓国のビビンバスピリットの違い――秩序だって分ける日本と、混ぜてスピード重視の韓国 052
    ◆「ビビンバスピリット」と「参鶏湯根性」
    ◆スープの飲み方だけは、ごゆっくり?
  [3] 「お通し」と「おまけ」の違いに出る、両国の国民性――几帳面に請求する日本と、無料でいっぱいくれる韓国 057
    ◆日韓の「食事の支払い方」の大きな違いとは

2 「言語の違い」 たいていの知人は、皆家族呼ばわり?──相手の呼び名の違いでわかる、人間関係の距離感の違いとは? 060 
    ◆ちょっとした知り合いは、すべて家族呼ばわり?――韓国は「情」を重視し、人間関係の距離が近い
    ◆言語を変えれば、性格も変わる?
    ◆時空を超えた「ウリ意識」と、「ネロナンブル」問題――内集団バイアスが最強になる、韓国語の言語特性

3 「礼儀・感情表現の違い」 涙の使い方でわかる、感情表現の違いとは?――感謝されたい日本VS.謝罪されたい韓国 067
    ◆密かに行った、プチ社会実験──親しき仲でお礼を言うのは、水くさくて失礼?
    ◆泣いて謝る日本VS.泣いて怒る韓国――韓国人は「インスタ映え」するバリエーション豊かな怒り方を好む?
    ◆「感謝」にはこだわらず、「謝罪」には非常にこだわる韓国人
    ◆韓国のバラエティ豊かな、インスタ映えを狙った「怒りのパフォーマンス」

4 「家族関係の違い」 身内の呼び方の違いでわかる、公私の優先度の違いとは?――日本と韓国の結婚式を比べてわかること 
    ◆親子の礼儀・長幼の関係はいまも健在――韓国では、自分や身内を日本のようには低めない
    ◆日韓の結婚式の、最大の違いとは?

5 「接客文化の違い」 接客文化でわかる、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の違いとは?――「お客様は神様」の日本VS.「余計なおせっかい」の韓国 087
    ◆日韓タクシー接客比較――公私(仕事とプライベート)の人格が大きく分かれている日本と、境界線が曖昧な韓国
    ◆韓国ではタクシーに乗車拒否されることが多く、食堂のおばさんを「社長様」と呼ぶ
    ◆韓国の人間ドックで味わった屈辱客に対しても「余計なおせっかい」が多い韓国
    ◆それゆえ「両国関係のトリセツ」は?

ミニコラム 韓国で激変する、男女関係と現代文化――映画『猟奇的な彼女」が「猟奇的な奥さん」を増やした? 093
  激変する男女関係――公主病(お姫様症候群)は、韓国ドラマが増やした? 00
  「世界一低い出生率」「世界一高い自殺率」そして「世界一高い男性へのプレッシャー」?――多少お金がなくても暮らしていける、日本との違い
  「男はつらいよ」韓国編――妊婦にひれ伏す、韓国の男たち? 美容への強すぎるこだわりも、考えモノ
  先進国になったのに、死にたい国ナンバーワン?

教養チェッククイズ 105


第2章 なぜ韓国人は過去にしつこく、日本人は無責任なのか?――武士道ジャパンと儒教コリアの、ルーツの違いと共通点 107
    ◆昔の先祖に遡って、丁寧に祀る韓国文化
    ◆神話上の「人物」が、集団的記憶に影響を与える日本

1 なぜ韓国人は、歴史的にしつこいのか?――先祖の魂は死後も健在!? 儒教朱子学・性理学と、理気二元論 112
    ◆「真相究明」を名目に、過去に遡る儒教国家・韓国
    ◆「過去に遡った正統性」を重視する、儒教の伝統――昔の王や王妃を、遡って廃位するという過去へのこだわり
    ◆儒教国家韓国の「道徳的優位性」へのこだわり
    ◆韓国社会が妥協下手で分裂しがちなのは、儒教の影響?
    ◆韓国はなぜ「謝罪」にこだわるのか?――「おかしな過去」を「しかるべき歴史」に正すのが「チンジョンソン(真の感情)ある謝罪」
    ◆過去を水に流す日本と、過去に遡って処罰する韓国
    ◆不滅の魂が地上に住みつづける、儒教国韓国の死生観

2 なぜ日本人は、過去を水に流し無責任に見えるのか?――死んだら罪は赦され、皆天へ? 「切腹」でリセットする武士道日本 125
    ◆観念的な道徳より、軍事的な現実
    ◆日本特有の「責任のとり方」とは?――「死ねば皆、天にいく」という死生観
    ◆「自主的な最期」を尊ぶ日本
    ◆地位が高いほど、自主的に去ることが求められる?
    ◆日ごろは正直な日本人が、失敗したら不正直になりがちな理由は?――失敗が許されない、減点・切腹カルチャー
    ◆失敗への恐怖心が、実態の隠ぺいにつながる
    ◆個人的自主性の裏返しは、組織的無責任?

3 韓国人の対日観は、なぜ400年前に遡るのか?――『看羊録』に見る、朝鮮側の対日歴史認識 139
    ◆京都の「耳塚」と、韓国の「晋州城〔チンジュソン〕」を訪問して実感すること――豊臣秀吉が英雄視される日本と、論介〔ノンゲ〕がヒロイン視される韓国
    ◆「植民地支配されたときよりも、豊臣秀吉の侵略のほうがひどいことをたくさんされた」
    ◆歴史的英雄選定の基準とは?――秀吉とプーチンの意外な共通点
    ◆歴史を学ぶことで生じる、民族的記憶――日本で語り継がれた武勇伝と、朝鮮で語り継がれた蛮行
    ◆豊臣秀吉を巡る「歴史認識問題」の深刻さ

4 日韓関係を古代まで遡るとバレる「真実」とは?――弥生時代飛鳥時代大化の改新白村江の戦い壬申の乱と古代神話の影響力をスピード 150
    ◆DNA解析が進むほど明らかになる、日本人のルーツとは?
    ◆古代の倭国と、伽耶百済との特別な関係
    ◆「純ジャパ」も「純コリ」も「純チャイ」も存在しない
    ◆飛鳥時代大化の改新白村江の戦い壬申の乱の概観
    ◆東アジアの歴史の一大分岐点だった「白村江の戦い」――戦後は朝鮮半島との関係が大変化
    ◆「神功皇后三韓征伐」神話の誕生背景――白村江の戦い後の「新羅憎し」の集団的記憶
    ◆アンドレより大きく、「きんさんぎんさん」より長生きの古代天皇
    ◆白村江の戦いの結果が、その後の日本と朝鮮半島の関係に大きく影響
    ◆唐の衰退後に中華秩序から離れ、武士道が支配した日本
    ◆中華秩序に組み込まれ、儒教が支配した中央集権型の朝鮮半島

5 両国の国家的象徴比較――日本のお礼は「明治維新の功労者」が目立ち、韓国のお礼は「儒学者ばかり」なのはなぜか? 166
    ◆国歌の違いから見えること――君が代 (日本) VS. 愛国歌(韓国)
    ◆日韓国花の比較から見えるものとは?
    ◆日韓紙幣の比較から見えるもの――明治時代を誇りにする日本と、大儒学者が紙幣の韓国
    ◆日韓国の象徴比較――「菊と刀」の日本に対し、韓国の統合の象徴とは?

ミニコラム 日本の天皇家は、世界最長のロイヤルファミリー 174
  歴史を紐解き、3度お目にかかった感想
  神話を守るための、さまざまな建前の数々
  どこまで遡るにしても、じつに長い天皇家の歴史――いまの上皇陛下が、第100代の天皇
  たまに現れる「じつは私は天皇陛下」などと名乗る人の、それなりの言い分とは?
  天皇陛下は、世界の聖人と同列の扱い?
  一般参賀に参加させていただいた感想――日本で深く敬愛される上皇陛下

教養チェッククイズ 186


第3章 なぜ隣国とは永遠に揉めつづけるのが当たり前なのか?――日韓関係が最悪って本当? 日本と韓国をムラサキする世代 189
    ◆隣国対立の世界的事例に比べたら、日韓対立はまだまだ甘い?
    ◆変化が早く、相反する価値観が共存する現代韓国

1 日本と韓国の経済格差は、なぜ急速に縮小したのか?――「漢江の奇跡」より大きかった「江南スタイルの奇跡」? 195
    ◆その後20年間で、日韓の平均所得が逆転
    ◆20年前と同じアイドルが「活躍」する日本
    ◆「漢江の奇跡」よりも巨大だった「江南スタイルの奇跡」

2 韓国が「ゴールを動かす」ようになったのはなぜか?――政権交代しない日本と、二大政党制・大統領直選制を実現した韓国 203
    ◆日本政治の強力な連続性
    ◆明治維新以降、150年経っても薩長支配の影響が続く日本?
    ◆韓国政治の非連続性――政権交代で、人と政策がパリパリ変化する韓国
    ◆政権が代われば、対抗勢力を一掃する韓国政治

3 「メディアの自由度」がアジア一高くなった韓国――政治家同士が「手打ち」しただけでは、コントロール不可能な日韓関係 212
    ◆韓国を批判したら一枚岩になりやすくなっている日本
    ◆韓国の「反日」意識が薄れ、日本の「嫌韓」が激化
    ◆日本を批判しても、一枚岩にならなくなった韓国
    ◆韓国で「反日」が盛り上がらなくなった背景とは?

4 世界中で排外主義が蔓延するなか、日韓関係はどうなるのか?――政治的遠心力 VS. 市場求心力のせめぎ合い 221
    ◆選挙前の隣国批判は、世界中でお決まりの風物詩?
    ◆「社会不安の増大」と「交流の欠如」が排外主義を助長する
    ◆一時より改善に向かった日本のヘイトスピーチ――動画・SNSが可能にする、若年層の活発な文化交流
    ◆「日韓関係は今後も、政権次第で流動的」と考えるのが基本型

5 なぜ、どこの国も「ゴメン」と言えないのか?――グローバル事例との比較で見える共通性 228
    ◆マックス・ウェーバーによる説明歴史は現在を生きる人の利益に応じて編集される
    ◆歴史教育は「集団的アイデンティティ」と連結する――人は自分たちの祖先を、いい人だと思いたい
    ◆認知的不協和の解消反応――どこの国でも、「加害の歴史」を否定するパターンは酷似
    ◆「負の歴史認識」の共通性――「人ってそんなもんだよね」

ミニコラム 日韓関係が史上最悪って本当?――政治家のオジサンは対立しても、世代がムラサキする日韓関係 237
  古代の渡来人や朝鮮通信使より、アーミー(BTSのファン)と令和の女子高生?――じつは史上最も活発化している日韓交流
  日韓議連の予算をカットして、両国の女子高生同士の交流に予算をまわすべき?
  日韓両国のルーツを意識するダブルの増加
  日韓の間をムラサキしてきた先人たち
  100%日本人か、100%韓国人でなくても全然OK
  構造的に政府間では揉めても、両国市民の関係がたいして影響を受けない時代を夢見て

教養チェッククイズ 249


  後編 日韓の溝を、間にいる在日コリアンの視点で埋めてみた。

第4章 ここがヘンだよ韓国の怒り方 東西南北分断国家・韓国の反省点とは?――ひょっとして、怒る相手を間違っていませんか? 253
    ◆「ガス抜きのパフォーマンス」が、引火して大爆発?
    ◆大多数の実態とかけ離れた「危険な韓国人」というイメージを、少数の過激派が拡散
    ◆抗議パフォーマンスが、もはやお祭り化している、「悪口大国・韓国」

1 「コリアン・アンガー」の問題点――日本人の多様性を分析せずに自爆する人々 259
    ◆日本国内の歴史認識は、左右に幅広い 20
    ◆幼少期の実体験――植民地支配への反省を教える学校の先生と、正当化を教える塾講師
    ◆なぜ日本国内の歴史認識は、左右のブレ幅が大きいのか?
    ◆歴史認識問題で、韓国が日本全体を批判するのは的外れ
    ◆「反日デモ」で損するのは、たいてい韓国
    ◆日本からの反発は、たいてい在日コリアンに向かう

2 韓国が、無関係な人を問題に巻き込む理由とは?――的外れな批判で、無駄に「敵」を増やす人々 270
  [1] 誰彼構わず、「踏み絵」を迫る
  [2] たいてい無意味に終わっている「海外キャンペーン」
  [3] 「よく見ると恩人」もまとめて大批判

3 「トリプル・ジャパニーズ・アンガー」とは?――申し訳なさそうにしていた日本人が、韓国人に怒るようになったワケ 276
  [1] いつまで、当事者じゃない人に謝罪を要求するのか?――連座制を日本の若者に適用するのは不適切 277
    ◆「Korean Fatigue」(韓国疲れ)
    ◆謝ってもらう人を、大いに間違っている
  [2] 反日韓国が、日本を貶めるために、嘘を世界に広めているのではないのか? 280
    ◆もはや笑ってしまう、一部のこじつけがましい対日批判
  [3] 過去の約束を覆して、過去を蒸し返すのは韓国ではないか? 284
    ◆日本人が最も嫌う「ルール違反」というパンドラの箱を開け、嫌韓民主化
    ◆政権が代われば、対外合意を簡単に変えてよいのか?

4 「本音の国・韓国」は、「建前の国・日本」を理解できない?――筆者もビックリな、日本の衝撃的な建前の数々 288
    ◆建前重視の日本:その驚くべき実例――ユッケも風俗産業も憲法も、ルールを潜り抜けるには、解釈変更と「自発性」への責任転嫁
    ◆正義より忠義――「お上に従う忠誠心」が美徳とされる日本

5 韓国は「南北分断国家」ではなく「東西南北分断国家」?――韓国に必要なのは、経済成長より国民統合 
    ◆韓国では「反日」とは比べものにならないほど、国内の左右対立が激しい
    ◆四方八方に分裂する韓国

ミニコラム 金正恩に5回も会って来た――北と関係正常化できる日は来るのか? 300
  脱北高級官僚から、韓国国会議員に転身した太永浩〔テヨンホ〕氏からの教訓

教養チェッククイズ 307


第5章 ここがヘンだよ日本の建前 不思議な議論の3大パターンと4大レトリック――令和なんだから、明治時代のタテマエを捨てませんか? 309
    ◆奈良時代の神話・明治時代の建前・昭和のプロパガンダ・平成の反動
    ◆「勘違いの義憤」を誘発する、3大パターンと4大レトリック

1 今時の和風韓国人の、日本に対する意外な本音とは?――韓国語の「親日」と、日本語の「反日」のおかしな定義 315
    ◆おかしな「反日」の定義――日本が好きでも、右派の歴史観を批判したら「反日」呼ばわり
    ◆韓国は日常文化的には立派な親日国? 30
    ◆大多数の韓国人の本音――メディアで見る「反日デモの韓国人像」と、現地の韓国人のギャップ
    ◆「政治家個人への批判」を「国全体への批判」に転換する「反日レッテル」
    ◆「けしからん隣国」の存在を、政治やビジネスで必要とする人たち
    ◆植民地支配された歴史を教えることと、「反日」はまったく違う


2 なぜ韓国とほかのアジア諸国は違うのか?――コレだけは知っておきたい根本的な「不正義な合法」という建前 328
  [1] 1995年の村山談話――村山談話河野談話の「いささか卑怯な使い方」とは? 330
    ◆村山談話河野談話も、タカ派政権により骨抜き・台無しに
  [2] 1965年の日韓基本条約――「賠償金」ではなく、「経済協力金」という呼称にこだわる理由とは? 335
  [3] 1910年の日韓併合――列強と取引した植民地支配という側面と、国際社会の承認がある合法な併合という建前 337
    ◆不正義な合法――「無理矢理結ばされた条約じゃないか!」という不満
    ◆「日韓併合」までの経緯を、立場を変えて想像してみるエクササイズ
    ◆「国際社会の承認」の内実は「米英との植民地分割密約」やないか! という不満

3 ガラパゴス歴史認識は、どのようにして強化されてきたのか――モザイク状の実態を白黒で議論する、典型的な3大パターンと4大レトリック  
  [1] 「部分否定で全体否定をする」パターン 346
    ◆多様な実態を無理に一般化して、世界中の多様な証拠を全否定
     (I) 一部のメディアの誤報のせいにして、全体否定するパターン
    ◆2つの悲劇を巡る強力な相関関係とは?
     (II) 古今東西お馴染みの「被害者の人数が不確か」パターン
     (III) 「公的文書は見つかっていない」という「公文書未発見」パターン
     (IV) 仮定法過去否定パターン――「大規模な連行など不可能だったはず」という想像の否定
  [2] 「部分肯定を全体肯定につなげる」というパターン 360
    ◆部分的に聞くと、「良い話」なのだが
    ◆世界中の「親日国」にも厳然として残る、消せない証拠の数々
    ◆目的と文脈を無視した部分肯定――近代化促進は誰のためか?
  [3] 相手方を逆なでする「自発性コスプレ」 366
    ◆なんでもかんでも「韓国人が自発的に選んだ結果」であるように装う
    ◆「自発的に国を譲り渡す国」などない
    ◆なぜ日本の戦後対応は、ドイツと大きくかけ離れていったのか?

4 どのようにすれば、自分の偏見と内集団バイアスに気づけるのか――20代、30代、40代で進化した「グローバル在日コリアン」の歴史認識変遷からの教訓 372
    ◆歴史認識フェーズ1 子ども時代の違和感
    ◆歴史認識フェーズ2 特定の国だけが悪かったわけではない
    ◆アジアに対しては侵略でも、欧米に対しては自衛という複合的な側面
    ◆歴史認識フェーズ3 世界中の類似事例と人間の本質理解から、教養を得る
    ◆視野が広まる歴史教養と、視野が狭まる歴史妄想の違い

5 日韓関係2000年の歴史を、100ポイントにまとめてみた――内集団バイアスのHIS STORYから、国際的な視点のOUR STORYへ 382
    ◆集団的記憶の本質と源流――人は、やられたことは忘れない
    ◆やったことは、正当化されるか教えられない
    ◆小中華思想同士の、マウンティング合戦?――小中華思想 VS. 神功皇后神話の、「小中華料理」はもうやめませんか?
    ◆最終エクササイズ――日韓関係2000年の歴史を要約してみよう
    ◆「過去への反省」と「自国への誇り」はバランスよく、セットで伝える必要がある
    ◆「HIS STORY」ではなく「OUR STORY」――歴史教育にも多様な視点とサステイナビリティを

ミニコラム 主要論点の両論併記をまとめてみた――歴史論争に「だいたいの終止符」を打つ、大ポイント  399
    ◆古代の交流
    ◆神功皇后三韓征伐と任那日本府
    ◆元寇における高麗の役割
    ◆秀吉の朝鮮出兵
    ◆朝鮮通信使
    ◆日韓併合への過程と、法的見解
    ◆植民地支配の実態
    ◆領土問題
    ◆日韓基本条約
    ◆戦後の謝罪
    ◆歴史観のバランス感覚をセルフチェック
    ◆アマゾンレビューの前に試したいセルフ診断

教養チェッククイズ 422


終章 日本と韓国をムラサキするには――1300年ぶりに日韓はパートナーになれるのか? 425
    ◆個人では仲が良くても、国同士になると不仲になる理由のおさらい
    ◆「民族的記憶」の改善に有効な3つのアプローチ
    ◆「未来志向」の意味が、日韓で違う
    ◆日本と韓国に必要な、相手国への基本的な配慮とは?
    ◆新羅による朝鮮半島統一以来の大チャンス?
    ◆新たな時代に、歴史問題の不良債権を持ち越してはいけない


おわりに [444-449]





【関連記事】

・日本&韓国、日本&中国を扱う本。
 個人的に、二冊目・三冊目(安田本&浅羽本)は、本書(ムーギー・キム本)よりはるかにクセが強いので、いろいろ割り引いて読める人向けだと思う。

『韓国のイメージ――戦後日本人の隣国観[増補版]』(鄭大均 中公新書 2010//1995)

『知中論――理不尽な国の7つの論理』(安田峰俊 星海社新書 2014)

『韓国化する日本、日本化する韓国』(浅羽祐樹 講談社 2015)

『歴史問題ハンドブック』(東郷和彦,波多野澄雄 編 岩波現代全書 2015)

『戦後日韓関係史』(李鍾元,木宮正史,磯崎典世,浅羽祐樹 有斐閣アルマ 2017)


・人種主義について(の本のうち数冊)、ヘイトスピーチについて。
『人種は存在しない――人種問題と遺伝学』(Bertrand Jordan著 林昌宏 訳 中央公論新社 2013//2008)

『ヘイト・スピーチという危害』(Jeremy Waldron著 谷澤正嗣, 川岸令和 訳 みすず書房 2015//2012)

『日本型排外主義――在特会・外国人参政権・東アジア地政学』(樋口直人 名古屋大学出版会 2014)

『ヘイト・スピーチの法的研究』(金尚均 編 法律文化社 2014)

『レイシズムを解剖する――在日コリアンへの偏見とインターネット』(高史明 勁草書房 2015)

『インターネット法』(松井茂記,鈴木秀美,山口いつ子 編 有斐閣 2015)

『嫌韓問題の解き方――ステレオタイプを排して韓国を考える』(小倉紀蔵,大西裕,樋口直人 朝日選書 2016)

『徹底検証 日本の右傾化』(塚田穂高 編 筑摩選書 2017)

『私は本屋が好きでした――あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』(永江朗 太郎次郎社エディタス 2019)


・異文化コミュニケーションもの、国民性論を扱ったもの、または「日本人の表象」もの。

『日本人論の系譜』(南博 講談社現代新書 1980)

『国民性論――精神社会的展望』(Alex Inkeles著 吉野諒三 訳 出光書店 2003//1997)

『「異文化理解」のディスコース――文化本質主義の落し穴』(馬渕仁 京都大学学術出版会 2002)

『表象としての日本――西洋人の見た日本文化』(山内久明, 柏倉康夫, 阿部斉 放送大学教育振興会 2004)

『〈鬼子〉たちの肖像――中国人が描いた日本人』(武田雅哉 中公新書 2005)

『アジア人との正しい付き合い方――異文化へのまなざし』(小竹裕一 生活人新書 2008)

『日本人はなぜ存在するか』(與那覇潤 集英社 2013)

『〈日本幻想〉表象と反表象の比較文化論』(野田研一編 ミネルヴァ書房 2015)

『日本はどのように語られたか――海外の文化人類学的・民俗学的日本研究』(桑山敬己編 昭和堂 2016)

『増補 日本人の自画像』(加藤典洋 岩波現代文庫 2017//2000)

『事大主義――日本・朝鮮・沖縄の「自虐と侮蔑」』(室井康成 中公新書 2019)

『クリティカル日本学――協働学習を通して「日本」のステレオタイプを学びほぐす』(Gaitanidis Ioannis, 小林聡子&吉野文 編 明石書店 2020)